2026年9月30日

株式会社古屋産業
代表取締役
岩永 良成
(Yoshinari Iwanaga)
常務取締役
岩永 良彦
(Yoshihiko Iwanaga)
阿蘇エリアを中心に、地域の暮らしを支える株式会社古屋産業。LPガスの供給をはじめ、住宅設備機器の販売・施工、リフォーム、水道工事、空調工事まで、住まいに関わることをトータルで手がける総合力が同社の強みだ。
創業はLPガスの販売から。かつては薪や練炭も扱っていたという歴史があるが、大きな転機となったのが約30年前のこと。先代が急逝し、それまでスタンド部門で経験を積んでいた現代表取締役の岩永良成氏が、ガス事業を担うことになったのだ。
「保安点検も検針もやったことがなかったところからのスタートでした。約800世帯のお客様にご迷惑がかからないよう、まさに一からやってきたような状況です」と、社長は当時を振り返る。以来、保安・点検という”当たり前のこと”をきちんと積み重ねながら、事業の幅を着実に広げてきた。

2025年度は、King of Threee 全国No.1販売店決定戦でRED GROUP第3位、エコア連合会のオリジナルキャンペーンであるE-1グランプリの各販売店対抗部門では、Bグループ第1位という際立った成績を残した。この好成績は、2025年度に限ったことではない。
同社が長年にわたり高い実績を続けている背景には、先代から受け継いだ信念があるという。「器具を売らなければ、ガスは増えない」。本社には今もこの「器具を売るための10ヶ条」が掲示され、器具販売を重視する姿勢が、文化として根づいている。
実は、この姿勢が一時途切れかけた時期もあった。それまで取引していた供給元が、器具販売の比重を下げ、ガスの供給を中心に軸足を移していったためだ。もともと器具販売に重きを置いていた同社にとっては物足りなさが残る。そんな時、以前から縁のあったエコアから声がかかったことが、再びの転機となった。「器具を販売しなければ、ガスの使用量も増えない。その原点に立ち返らせてくれた企画の提案でした」と社長は言う。以来20年あまり、エコアとともにさまざまな企画に取り組み、器具販売に力を注いできた。
社員の頑張りに正当に報いることも、同社が大切にしてきたことの一つ。「頑張った分はきちんと社員に還元する。透明化して評価する。これを続けてきたことが、自然と結果につながっているのだと思います」と社長。以前は会社から発破をかける場面もあったというが、今では「6月からはキャンペーンが始まる」と、毎年社員が自ら動き始めるという空気が、でき上がっているそうだ。

同社に根づくもう一つの文化が、「いいものを提案する」という姿勢だ。「今ある器具をただ入れ替えるのではなく、入れ替えることでお客様の暮らしがより豊かになるように。そんな想いを持って提案している社員が多いですね」と常務。ハイブリッド給湯器やエコジョーズなど、新製品が登場したときの社員の反応も早く、「地域でいち早く提案を!」と動き、存在感を高めてきた。
中でも同社の強さがよく表れているのが、工務店との連携だ。地元の大工は建物を建てても、設備の提案まではなかなか手が回らない。そこに同社が入り込み、「設備はうちがやる」と提案する。大工にもお客様にも納得いただいたうえで、質の高い機器を導入していく。こうした働きかけを続けてきたことが、高い実績の土台となっている。大規模なリフォームでも、灯油ボイラーからハイブリッド給湯器へ、あるいはオールガス化に近い形へと提案する。メーカーのショールームも上手く活用し、高額商品の最終的なクロージングにつなげている。
また、高齢化が進む地域ならではの需要もあるようだ。「これまで頼んでいた業者が辞めてしまい、どこに頼めばいいか分からない、というお客様が増えています。うちは幅広くサービスを扱っているので、『古屋さんに頼めば何でも安心』と言ってくださるお客様も結構いらっしゃいます」と常務はいう。こうした頼られる関係が自然と、機器の提案機会となっていくのだ。


近年、業績に大きく貢献しているのがGHPの空調工事だそうだ。給食センターや公民館、学校など、災害時の避難所として冷暖房整備を進める動きが広がり、市の補助金の後押しもあって、ここ2〜3年で新規案件が増えているという。1件で1,000万円を超えるケースも珍しくない。同社は約20年前から自宅・事務所・スタンドにGHPを導入してきた実績があり、「阿蘇は寒い土地。GHPは冬場の立ち上がりが早い、という利点をお伝えしながらずっと営業活動をしてきました」と社長は話す。こうした積み重ねが実を結び、公共事業の案件でも優先的に声がかかるようになった。
燃転も、同社が力を発揮する分野だ。「この地域は灯油ボイラーが多く、リフォームの際には燃費に優れたハイブリッドへの転換を必ず提案します。その時も、灯油からの単純な置き換えではなく、ハイブリッドをおすすめする割合が高いですね。九州は新築の8割がオール電化という土地柄ですが、だからこそ提案次第で、まだまだチャンスがあると考えています」と社長。
リフォームでガス機器を導入いただいたお客様には、ガスの供給もあわせて任せていただく。高額商品を信頼して任せてもらえるという好循環が生まれている。

同社は、King of ThreeeもE-1グランプリも、年間行事の半年以上を占める重要な取り組みと位置づけている。始まる前から準備し、終われば反省して次に向かう、そのサイクルが社内に浸透している。「特別なことはしていません。挨拶や訪問、お見積もり――その一つひとつを、より丁寧に。マニュアル通りではなく、その人の人間性でお客様に向き合えば、売上は自然とついてきます」と社長。長年勤めるベテランが脂の乗った年代を迎え、3〜4年前から入った若手も一生懸命に動く。世代のバランスがよく取れていることも、毎年安定して成果を出せる理由の一つだろう。
先代から受け継いだ「器具を売ってこそ、ガスは増える」という信念を軸に、阿蘇の暮らしに寄り添いながら、古屋産業はこれからも一手一手を丁寧に歩んでいく。

株式会社古屋産業
所在地 / 熊本県阿蘇市一の宮町宮地1926